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『カオス・ポイント』(4)
昨日見たラズロのカオスの分析では、転換点が1800年から始まっていた、というスケールの大きな見方を提示していました。
ということは、当然、ラズロも現在の転換点を「100年に一度」というような「小さな」スケールでは見ていないことは明らかですね。
人類史全体の中での現在の位置づけを考察する際にラズロが拠り所としているのは、文明史家ウォルター・ウォールバンクとアラステア・テーラーの権威あるテキスト『Civilization Past and Present(文明の過去と現在)』のようです。
この説によれば、人類はこれまで大きく3つの安定期
1.ミュトス(神話性)文明、
2.テオス(神知性)文明、
3.ロゴス(論理性)文明
をもっていたとします。1つの安定期から次の安定期に至る間に、それぞれ転換点が存在していたわけです。それがどのようなものであったを、ラズロの説明から見てみましょう(P72~82)。
ミュトス(神話性)文明
100万年ほど前、人類の祖先は複数の家族単位で遊牧生活を営み、狩猟のための簡単な道具(旧石器)や火を用い、誕生や死にまつわる儀式を行っていた。
紀元前1万1千年頃には、新石器時代に入り、やがて中近東の「肥沃な三日月地帯」で植物の栽培から農業が始まった。彼らは、万物に霊が宿るというアニミズム的な世界観をもち、自然と一体となって生活していた。
狩猟に替わって農業が中心になると、男性原理から女性原理が優位になった。
ミュトス(神話性)文明からテオス(神知性)文明への転換
銅や青銅などの金属が用いられ、灌漑技術が改良されることにより、農業の収量が格段に増えるとともに、人口も増加し、社会組織は複雑になり都市から国家が形成されていった。
社会経済の階層化が進み、再び男性原理が優位になって、「母なる大地」は「天の神々」に従属するようになった。
神を祖先とし、神々が住む天球に縁があると自称する王が人々を支配するようになって、天の秩序が地上の神権政治を必然とする論理が生み出された。4大文明や中米の古代文明では、ミュトスの石器時代から数世紀あまりでテオス文明へと転換していった。
テオス(神知性)文明からロゴス(論理性)文明への転換
鉄の技術をもったインド-ヨーロッパ語族が、中央アジアの地を離れて、東はインド、西はヨーロッパに進んだ。
彼らが開発した技術は社会構造まで変化させ、それまでの神話的な考え方から観察および論理的思考によって理論を組み立てていった。
例えばギリシャでは、ホメロスからソクラテス・プラトン・アリストテレスの時代に移行していった。その後2,500年に及ぶ西洋文明はロゴス文明といえる。
ロゴス文明は4・5世紀以降、キリスト教の興隆によって影響を受けて変質し、さらに16・17世紀になって、ガリレオ・デカルト・ニュートンによって機械論的パラダイムが確立され、神はもはや無用な存在となった。
さて、ロゴス文明が行き詰って転換点を迎えた今、次に登場する新たな文明はどのようなものになるのでしょうか?
「文明が次に起こす転換が向かうべき正しい方向を見出すことは、困難だがけっして不可能ではない。新しい文明を持続可能なものとするためには、その文明のなかで、二〇世紀の大半を特徴づけていた思考様式とはまったく異なる文化や意識が進化しなければならないことは明らかである。ロゴスに基づく文明は、富と権力を追求する、物質的かつ操作的なものであった。つまり、征服と消費を追求するものだった。これに代わる新しい文明は、人間の成長、そして、人間がそのなかで生活を送るコミュニティや環境の発展を、中心に据えたものでなければならない。」(P82・83)
とし、これから起こるべき方向転換を考える上で2種類の発展の方向を示します。
一つは、これまで治世者たちが行ってきた、より広大な領土を征服し、より多くの人々を支配しようとするもので、これを水平軸における「拡張的発展」と呼ぶことができます。このような発展を追及してきた結果が、多くの面での持続不可能性をもたらし、世界をカオス・ポイントに向かって駆り立ててきたわけです。
それに対して個人の内的な成長や、コミュニティや社会の質の向上を目指す発展というものが考えられ、これは垂直軸における「集約的発展」ということができます。
この2種類の発展に対して、ラズロは共に次の「3つのc」に始まる単語にその究極の目的を要約できるとしています(P84~85)。
拡張的発展=征服(conquest)、植民地化(colonization)、消費(consumption)
集約的発展=結びつき(connection)、コミュニケーション(communication)、意識(consciousness)
そしてこの、結びつき、コミュニケーション、そして意識を重視した集約的発展の方向に切り替えることができたとき、新たに現れてくる文明の特徴は、ホロス(全一性)である、と述べています。
カオス・ポイントにおいては、いつも「前進(ブレイクスルー)への道」が保証されているわけではなく、「崩壊(ブレイクダウン)への道」に陥る可能性もあるわけです。
しかし幸いなことに、これまでの転換点では「前進(ブレイクスルー)への道」に進むことに成功してきました。
さて今回のロゴス文明からホロス文明への移行は、成功するでしょうか?
これが、私たち人類だけの力では到底不可能なことは、明らかなように思います。今年5月のクレーム氏の講演では、ハイアラーキーに加えこの太陽系の他の惑星から来ているたくさんの援助者の懸命な働きがあることが、強調されていました。
それらの強力な援助によって、この困難な移行が奇跡的に成功することを信じ、頑張りましょう。
ということは、当然、ラズロも現在の転換点を「100年に一度」というような「小さな」スケールでは見ていないことは明らかですね。
人類史全体の中での現在の位置づけを考察する際にラズロが拠り所としているのは、文明史家ウォルター・ウォールバンクとアラステア・テーラーの権威あるテキスト『Civilization Past and Present(文明の過去と現在)』のようです。
この説によれば、人類はこれまで大きく3つの安定期
1.ミュトス(神話性)文明、
2.テオス(神知性)文明、
3.ロゴス(論理性)文明
をもっていたとします。1つの安定期から次の安定期に至る間に、それぞれ転換点が存在していたわけです。それがどのようなものであったを、ラズロの説明から見てみましょう(P72~82)。
ミュトス(神話性)文明
100万年ほど前、人類の祖先は複数の家族単位で遊牧生活を営み、狩猟のための簡単な道具(旧石器)や火を用い、誕生や死にまつわる儀式を行っていた。
紀元前1万1千年頃には、新石器時代に入り、やがて中近東の「肥沃な三日月地帯」で植物の栽培から農業が始まった。彼らは、万物に霊が宿るというアニミズム的な世界観をもち、自然と一体となって生活していた。
狩猟に替わって農業が中心になると、男性原理から女性原理が優位になった。
ミュトス(神話性)文明からテオス(神知性)文明への転換
銅や青銅などの金属が用いられ、灌漑技術が改良されることにより、農業の収量が格段に増えるとともに、人口も増加し、社会組織は複雑になり都市から国家が形成されていった。
社会経済の階層化が進み、再び男性原理が優位になって、「母なる大地」は「天の神々」に従属するようになった。
神を祖先とし、神々が住む天球に縁があると自称する王が人々を支配するようになって、天の秩序が地上の神権政治を必然とする論理が生み出された。4大文明や中米の古代文明では、ミュトスの石器時代から数世紀あまりでテオス文明へと転換していった。
テオス(神知性)文明からロゴス(論理性)文明への転換
鉄の技術をもったインド-ヨーロッパ語族が、中央アジアの地を離れて、東はインド、西はヨーロッパに進んだ。
彼らが開発した技術は社会構造まで変化させ、それまでの神話的な考え方から観察および論理的思考によって理論を組み立てていった。
例えばギリシャでは、ホメロスからソクラテス・プラトン・アリストテレスの時代に移行していった。その後2,500年に及ぶ西洋文明はロゴス文明といえる。
ロゴス文明は4・5世紀以降、キリスト教の興隆によって影響を受けて変質し、さらに16・17世紀になって、ガリレオ・デカルト・ニュートンによって機械論的パラダイムが確立され、神はもはや無用な存在となった。
さて、ロゴス文明が行き詰って転換点を迎えた今、次に登場する新たな文明はどのようなものになるのでしょうか?
「文明が次に起こす転換が向かうべき正しい方向を見出すことは、困難だがけっして不可能ではない。新しい文明を持続可能なものとするためには、その文明のなかで、二〇世紀の大半を特徴づけていた思考様式とはまったく異なる文化や意識が進化しなければならないことは明らかである。ロゴスに基づく文明は、富と権力を追求する、物質的かつ操作的なものであった。つまり、征服と消費を追求するものだった。これに代わる新しい文明は、人間の成長、そして、人間がそのなかで生活を送るコミュニティや環境の発展を、中心に据えたものでなければならない。」(P82・83)
とし、これから起こるべき方向転換を考える上で2種類の発展の方向を示します。
一つは、これまで治世者たちが行ってきた、より広大な領土を征服し、より多くの人々を支配しようとするもので、これを水平軸における「拡張的発展」と呼ぶことができます。このような発展を追及してきた結果が、多くの面での持続不可能性をもたらし、世界をカオス・ポイントに向かって駆り立ててきたわけです。
それに対して個人の内的な成長や、コミュニティや社会の質の向上を目指す発展というものが考えられ、これは垂直軸における「集約的発展」ということができます。
この2種類の発展に対して、ラズロは共に次の「3つのc」に始まる単語にその究極の目的を要約できるとしています(P84~85)。
拡張的発展=征服(conquest)、植民地化(colonization)、消費(consumption)
集約的発展=結びつき(connection)、コミュニケーション(communication)、意識(consciousness)
そしてこの、結びつき、コミュニケーション、そして意識を重視した集約的発展の方向に切り替えることができたとき、新たに現れてくる文明の特徴は、ホロス(全一性)である、と述べています。
カオス・ポイントにおいては、いつも「前進(ブレイクスルー)への道」が保証されているわけではなく、「崩壊(ブレイクダウン)への道」に陥る可能性もあるわけです。
しかし幸いなことに、これまでの転換点では「前進(ブレイクスルー)への道」に進むことに成功してきました。
さて今回のロゴス文明からホロス文明への移行は、成功するでしょうか?
これが、私たち人類だけの力では到底不可能なことは、明らかなように思います。今年5月のクレーム氏の講演では、ハイアラーキーに加えこの太陽系の他の惑星から来ているたくさんの援助者の懸命な働きがあることが、強調されていました。
それらの強力な援助によって、この困難な移行が奇跡的に成功することを信じ、頑張りましょう。
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