『宇宙とつながる働き方』(2)
この本の良さの一つは、昨日最後に引用させていただいたように、その主張のシンプルさにあると思います。
昨日取り上げた2種類の関係性の整理もそうでしたが、今日は、その分析のスタートになっている「そもそもビジネスとは?」という問題の考え方をご紹介したいと思います。(P14〜16)
「なぜビジネスは複雑化していくのか」
・・・
ビジネスの原型は、とてもシンプルです。
・・・
あなたの得意分野を活かして、誰かが必要としている物を作ったり、誰かに喜んでもらえることをしたりして、その対価を受け取る。それがビジネスの本来の姿です。とってもシンプルなことです。
ビジネスが巨大化しても、この点は変わらないはずです。
これがビジネス本来のあり方だと天野氏はいうんですね。
当たり前といえば当たり前、何だかキツネにつままれた感じもしないではないですが、読み進めるうちに、この考え方を基礎に据えることの重要性が、段々分かってきます。
現在のビジネスは、もの凄く複雑なように見えますが、それは実は、私たちの社会に、この本来のビジネスのあり方をしていない誤ったやり方のビジネスが混入してしまったからなのです。利益という面から見て、天野氏はそれを次のように述べています。(P23・24)
このように、ひと言で利益といっても、利益には二種類あるといえます。
「価値を創造してその対価として得る利益」と、「価値を創造することなく誰かから奪うことで得る利益」です。
両者は、会計上は見分けがつきませんが、その質は明確に異なります。
価値を創造して得た利益であれば、お客様が幸せになり、社員も自分たちの良さを活かしてお客様に感謝され、会社も利益を生み続けることができます。かかわる人たちが皆ハッピーになる、つまりWin−Win,Happy−Happyの関係になります。
一方、価値を創造することなく奪うことで得た利益であれば、お客様は不満を抱き、社員も働く意義を見出せず、会社にもいずれ損失が還ってきます。誰かが得をして誰かが損をする。Win−Loseの関係であり、最終的には誰もがUnhappy−Unhappyになってしまいます。
確かに、そうですね。「価値を創造することなく誰かから奪うことで得る利益」、その代表が土地の転売とか、株や為替の取引きなどで得た利益、或いは私はよく実体は知りませんが、大手の会社が下請けに仕事を丸投げして搾取したような利益が、それに当たると思われます。
額に汗し、あるいは、頭脳を酷使しながら新しいものを創造したり、何らかの付加価値を生み出したとき、それに対して対価を得るのは、当然の権利ですが、そうでない不労所得の割合が著しく大きくなってきたこと、そしてそのうまみに味をしめさらにそれを拡大しようとするような動きが強くなってきたことが、今日の経済危機につながっていることは、素人の私でも分かります。
これに関して天野氏は、今日のビジネスが非常に複雑になってしまったのは、このような「奪うことで得る利益」が発覚しないように、意図的に複雑な商品や契約などのシステムがつくり出されてきたからだ、ともいいます。
確かに、「奪うことで得る利益」が簡単な仕組みで得られるようなら、皆「それはおかしい!」とシステムの改革を主張するでしょうけれど、複雑だと、それを解読するのに多大な時間やエネルギーが必要となるため、めんどくさくなってほったらかしのままになり、知らないうちにどんどん搾取されてしまっていた、ということが起きるわけです。
民間レベルであれば、被害を受けるのは当事者など狭い範囲に限定されますが、それが一国の政府であるとか、国家間で行われていることもある、というような話も陰謀論を調べている人からは聞きますね。働いても働いても生活が楽にならないからくりが、そこにあるのだと。
そうなると、本当に何が真実なのか分からない世界になってきますが、今回の政権交代で明らかになりつつある官の実体を見ても、ある程度はそういうことも本当に存在するような気がします。
稲盛氏も『生き方』第2章で語っていましたが、そういう複雑に見えるものの解決策を考えるには、「原理原則から考える」ことが、有力な方法になります。ということで、最初にあげたように天野氏は、ビジネス本来のあり方を、「価値の創造」においたわけです。
すると、そうでないビジネス、「価値を創造しないで奪い取る」ビジネスが蔓延している実態も見えてきます。
そして両者の違いは、関係の作り方の違いに反映されているのです。
「価値を創造するビジネス」では、相手に役立つことをするわけですから、いい関係が構築されていきますが、「価値を奪い取るビジネス」では、お互いを敵と見なしたり憎み合うような関係にならざるをえません。
それが、昨日紹介した第3章の「つながりを取り戻すビジネス」と「つながりを分断するビジネス」に対応していくわけです。
この「つながりを取り戻す」関係性こそ、「愛」であり、そこから真の創造性が生まれます。
私は、ビジネスと愛を分離したことが、さまざまな問題の根底にあると思っています。
・・・
ビジネスにおいて最も大切なのは価値創造であり、その価値創造の基盤になるのが愛です。ビジネスにおいてこそ、愛が大切なのです。
すべての生命の中に愛を見出せば、物理的に異なる私とあなたとすべてとが、実は同じであることに気づきます。そうすれば、利己と利他の違いも消えてなくなります。・・・
利己と利他の違いがなくなれば、世の中のほとんどの問題、ビジネスにおける様々な課題は、自然に解決します。ほとんどすべての問題は、人間関係、特に自分だけの利益を追求する人たちの利害の衝突から生じるからです。・・・
このつながりを自覚することで、人は無限の創造性を手に入れます。なぜなら、大切な人の幸せを願うときに、人はもっとも創造性を発揮するからです。(P44・45)
お見事! 本当に、シンプルに捉えられるものですね。
稲盛氏の言葉を借りれば、「“手が切れるような”分析」といえると思います。
もやもやした雲の中から、明るい日の光がサーっと差し込んできたような感じを受けました。
昨日取り上げた2種類の関係性の整理もそうでしたが、今日は、その分析のスタートになっている「そもそもビジネスとは?」という問題の考え方をご紹介したいと思います。(P14〜16)
「なぜビジネスは複雑化していくのか」
・・・
ビジネスの原型は、とてもシンプルです。
・・・
あなたの得意分野を活かして、誰かが必要としている物を作ったり、誰かに喜んでもらえることをしたりして、その対価を受け取る。それがビジネスの本来の姿です。とってもシンプルなことです。
ビジネスが巨大化しても、この点は変わらないはずです。
これがビジネス本来のあり方だと天野氏はいうんですね。
当たり前といえば当たり前、何だかキツネにつままれた感じもしないではないですが、読み進めるうちに、この考え方を基礎に据えることの重要性が、段々分かってきます。
現在のビジネスは、もの凄く複雑なように見えますが、それは実は、私たちの社会に、この本来のビジネスのあり方をしていない誤ったやり方のビジネスが混入してしまったからなのです。利益という面から見て、天野氏はそれを次のように述べています。(P23・24)
このように、ひと言で利益といっても、利益には二種類あるといえます。
「価値を創造してその対価として得る利益」と、「価値を創造することなく誰かから奪うことで得る利益」です。
両者は、会計上は見分けがつきませんが、その質は明確に異なります。
価値を創造して得た利益であれば、お客様が幸せになり、社員も自分たちの良さを活かしてお客様に感謝され、会社も利益を生み続けることができます。かかわる人たちが皆ハッピーになる、つまりWin−Win,Happy−Happyの関係になります。
一方、価値を創造することなく奪うことで得た利益であれば、お客様は不満を抱き、社員も働く意義を見出せず、会社にもいずれ損失が還ってきます。誰かが得をして誰かが損をする。Win−Loseの関係であり、最終的には誰もがUnhappy−Unhappyになってしまいます。
確かに、そうですね。「価値を創造することなく誰かから奪うことで得る利益」、その代表が土地の転売とか、株や為替の取引きなどで得た利益、或いは私はよく実体は知りませんが、大手の会社が下請けに仕事を丸投げして搾取したような利益が、それに当たると思われます。
額に汗し、あるいは、頭脳を酷使しながら新しいものを創造したり、何らかの付加価値を生み出したとき、それに対して対価を得るのは、当然の権利ですが、そうでない不労所得の割合が著しく大きくなってきたこと、そしてそのうまみに味をしめさらにそれを拡大しようとするような動きが強くなってきたことが、今日の経済危機につながっていることは、素人の私でも分かります。
これに関して天野氏は、今日のビジネスが非常に複雑になってしまったのは、このような「奪うことで得る利益」が発覚しないように、意図的に複雑な商品や契約などのシステムがつくり出されてきたからだ、ともいいます。
確かに、「奪うことで得る利益」が簡単な仕組みで得られるようなら、皆「それはおかしい!」とシステムの改革を主張するでしょうけれど、複雑だと、それを解読するのに多大な時間やエネルギーが必要となるため、めんどくさくなってほったらかしのままになり、知らないうちにどんどん搾取されてしまっていた、ということが起きるわけです。
民間レベルであれば、被害を受けるのは当事者など狭い範囲に限定されますが、それが一国の政府であるとか、国家間で行われていることもある、というような話も陰謀論を調べている人からは聞きますね。働いても働いても生活が楽にならないからくりが、そこにあるのだと。
そうなると、本当に何が真実なのか分からない世界になってきますが、今回の政権交代で明らかになりつつある官の実体を見ても、ある程度はそういうことも本当に存在するような気がします。
稲盛氏も『生き方』第2章で語っていましたが、そういう複雑に見えるものの解決策を考えるには、「原理原則から考える」ことが、有力な方法になります。ということで、最初にあげたように天野氏は、ビジネス本来のあり方を、「価値の創造」においたわけです。
すると、そうでないビジネス、「価値を創造しないで奪い取る」ビジネスが蔓延している実態も見えてきます。
そして両者の違いは、関係の作り方の違いに反映されているのです。
「価値を創造するビジネス」では、相手に役立つことをするわけですから、いい関係が構築されていきますが、「価値を奪い取るビジネス」では、お互いを敵と見なしたり憎み合うような関係にならざるをえません。
それが、昨日紹介した第3章の「つながりを取り戻すビジネス」と「つながりを分断するビジネス」に対応していくわけです。
この「つながりを取り戻す」関係性こそ、「愛」であり、そこから真の創造性が生まれます。
私は、ビジネスと愛を分離したことが、さまざまな問題の根底にあると思っています。
・・・
ビジネスにおいて最も大切なのは価値創造であり、その価値創造の基盤になるのが愛です。ビジネスにおいてこそ、愛が大切なのです。
すべての生命の中に愛を見出せば、物理的に異なる私とあなたとすべてとが、実は同じであることに気づきます。そうすれば、利己と利他の違いも消えてなくなります。・・・
利己と利他の違いがなくなれば、世の中のほとんどの問題、ビジネスにおける様々な課題は、自然に解決します。ほとんどすべての問題は、人間関係、特に自分だけの利益を追求する人たちの利害の衝突から生じるからです。・・・
このつながりを自覚することで、人は無限の創造性を手に入れます。なぜなら、大切な人の幸せを願うときに、人はもっとも創造性を発揮するからです。(P44・45)
お見事! 本当に、シンプルに捉えられるものですね。
稲盛氏の言葉を借りれば、「“手が切れるような”分析」といえると思います。
もやもやした雲の中から、明るい日の光がサーっと差し込んできたような感じを受けました。
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