『宇宙とつながる働き方』(1)
一昨日まで4日間、稲盛和夫氏の『生き方』を取り上げさせていただきましたが、今日から何回か、私が現代日本に生きる人たちに是非「働き方」のテキストのようにして読んでいただきたい、たまたま出会ったもう1冊の本を、ご紹介したいと思います。それは、天野敦之著『宇宙とつながる働き方』(総合法令出版)です。
著者は、34歳の公認会計士さん。今は幅広く活躍されているようですが、この若さですから、経験という面から言えば稲盛氏などと比較するのはかわいそうだと思います。しかしこの著書、一時は販売キャンペーンもせずに Amazon の売上げトップを走ったこともあるようで、簡にして要を得ており、作品としての完成度は高いものだと思います。
著者のプロフィールを、公式ホームページ(http://sinzenbi.net/)から、拾ってみます。
1975年生まれ。
一橋大学商学部経営学科卒業。大学在学中に公認会計士第二次試験に合格。その後、同三次試験に合格し、公認会計士登録。
大学卒業後、外資系コンサルティング・ファーム勤務を経て、証券会社の投資銀行部門でM&Aや資金調達、証券化等のアドバイザリー業務、グローバルマーケッツ部門で地域金融機関への提言業務に従事。
その後、公認会計士天野敦之事務所を設立し、財務会計の視点から、人の幸せと企業の利益を両立させるためのアドバイスを提供。多くの企業の業績改善を実現している。
また、チベットサポート・チャリティセミナーの開催、歌手やヨーガ講師など異業種とのコラボレーションセミナーの開催など、公認会計士の枠を超えさまざまな分野で意欲的に活動中。
主な著書に、
日本で一番売れている会計入門書30万部ロングセラー 『会計のことが面白いほどわかる本』(中経出版)
人を幸せにする会計の考え方 『価値を創造する会計』(PHP研究所)
「何のために働くのか」を見つめ直す感動の寓話 『君を幸せにする会社』(日本実業出版社)
金融危機の本質にせまり新しい社会像を提示する『みんなが幸せになる「お金」と「経済」の話』(すばる舎)
「すべてはつながっている」宇宙の真理に沿うビジネスを実現する方法『宇宙とつながる働き方』(総合法令)
などがある。
とのこと。これを見ても、少なくとも著書執筆に関する限り、若くして「内容」および「表現」の両面において、一流の実力を身につけられたようですね。これからどのように成長されるのか、極めて楽しみな存在です。
『宇宙とつながる働き方』というタイトルも、『生き方』の第5章「宇宙の流れと調和する」に呼応しており、両著作の内容の間に、基本的な矛盾はありません。
ただ、「働き方」を考察するに当たっての視点に多少違いがあり、それが補完的な役割を果たしているともいえます。
その視点の違いというのは、稲盛氏の場合、個人に焦点を当てて「どのように生きるべきか」を論じていたのに対し、天野氏の『宇宙とつながる働き方』の場合は、そのタイトルにあるように「つながり方」、関係性に焦点を当てている、ということです。
(これは、誤解を生む表現かもしれませんが、善と愛、カルマ・yoga と バクティ・yoga の違い、ともいえるかもしれません。)
それが端的に表れているのが、この本の第3章「つながりを分断するビジネスとつながりを取り戻すビジネス」です。
ここで天野氏は、「このように分類すること自体が、すでにつながりを分断する一歩であることは事実です。」(P73)と断りながらも、16個のチェック項目をあげて、ビジネスにおける2種のタイプの関係性を比較しています。
以下、第3章の目次から書き出させていただきますと、
1 ビジネスの目的――「短期的な利益の最大化」と「すべての人たちの幸せ」
2 経営理念――「美辞麗句」と「存在意義」
3 利益――「奪うことによる利益」と「創造の対価としての利益」
4 価値――「株主価値や高機能・低価格」と「人の幸せ」
5 責任を負う相手――「株主への責任」と「すべてへの責任」
6 時間軸――「目先の成果」と「長期的に持続する成果」
7 人間観――「機械」と「無限の可能性に満ちた存在」
8 社員感――「取替可能な部品」と「かけがえのない存在」
9 お客様――「財布としての客」と「喜びを分かち合う共感者」
10 同業他社――「打ち負かす敵」と「共に成長する存在」
11 仕入先――「安く仕入れる業者」と「共に価値を創る仲間」
12 思考法――「ロジカルな分析」と「全体を捉える大局観」
13 会議の進め方――「報告と責任追及の場」と「創造の場」
14 仕事の進め方――「与えられた役割を果たすこと」と「創造性を発揮すること」
15 リーダーシップ――「権力による管理」と「生き様による導き」
16 人事評価――「減点方式」と「チャレンジの奨励」
ということで、私はビジネスのことは素人なので確かなことは分かりませんが、必要な項目がほとんどもれなく網羅されているのではないか、と思います。
これをもとに、まずは自分自身のことをチェックしてみてください。
私自身、はっきりした×(前者)ではないにしても、胸を張って○(後者)とはいえない項目が幾つかあり、重要なことに気づかされました。
普通の仕事をされていれば、×が幾つかつくのは当然だと思います。そこのところを改善していけば、もっと良くなる、ということですね。
また、「これはいい働き方か?」判断がつかない場合、このチェック・リストを使えば、かなり正しい判断ができるのではないか、と感じます。
次には、ISOのような感じで、企業などをこの観点から評価していったらいいでしょうね。
こうやって、日本中・世界中の人が、自分をとりまく色々なものと正しい関係性を一歩ずつでも築いていったら、確実に良い社会が生まれていくと思います。
これまでこういった関係性に焦点を当てた研究が経済の分野でどれくらい進んでいたのかは知りませんが、それ自体に独創性があり、またこの項目の選び方が学問的なレベルでも認められる精度のものなら、これは大変価値のある研究論文でもあるといえるでしょう。
問題は本当にシンプルです。
すべての問題は、私たちがつながりを無視して、他者を犠牲にしてでも自分だけの利益を最大化しようとしてきたことにあります。そこさえ変えることができれば、一見複雑で手の施しようがないような現代の深刻な危機でさえ解決できます。
もちろん、現実にはこの意識の転換こそが最も難しい課題です。(P69・67)
天野氏がこの本のサブタイトルとして付けた「経済を回復させるたった一つの方法」というのは、誇大宣伝ではないと、私は感じました。
著者は、34歳の公認会計士さん。今は幅広く活躍されているようですが、この若さですから、経験という面から言えば稲盛氏などと比較するのはかわいそうだと思います。しかしこの著書、一時は販売キャンペーンもせずに Amazon の売上げトップを走ったこともあるようで、簡にして要を得ており、作品としての完成度は高いものだと思います。
著者のプロフィールを、公式ホームページ(http://sinzenbi.net/)から、拾ってみます。
1975年生まれ。
一橋大学商学部経営学科卒業。大学在学中に公認会計士第二次試験に合格。その後、同三次試験に合格し、公認会計士登録。
大学卒業後、外資系コンサルティング・ファーム勤務を経て、証券会社の投資銀行部門でM&Aや資金調達、証券化等のアドバイザリー業務、グローバルマーケッツ部門で地域金融機関への提言業務に従事。
その後、公認会計士天野敦之事務所を設立し、財務会計の視点から、人の幸せと企業の利益を両立させるためのアドバイスを提供。多くの企業の業績改善を実現している。
また、チベットサポート・チャリティセミナーの開催、歌手やヨーガ講師など異業種とのコラボレーションセミナーの開催など、公認会計士の枠を超えさまざまな分野で意欲的に活動中。
主な著書に、
日本で一番売れている会計入門書30万部ロングセラー 『会計のことが面白いほどわかる本』(中経出版)
人を幸せにする会計の考え方 『価値を創造する会計』(PHP研究所)
「何のために働くのか」を見つめ直す感動の寓話 『君を幸せにする会社』(日本実業出版社)
金融危機の本質にせまり新しい社会像を提示する『みんなが幸せになる「お金」と「経済」の話』(すばる舎)
「すべてはつながっている」宇宙の真理に沿うビジネスを実現する方法『宇宙とつながる働き方』(総合法令)
などがある。
とのこと。これを見ても、少なくとも著書執筆に関する限り、若くして「内容」および「表現」の両面において、一流の実力を身につけられたようですね。これからどのように成長されるのか、極めて楽しみな存在です。
『宇宙とつながる働き方』というタイトルも、『生き方』の第5章「宇宙の流れと調和する」に呼応しており、両著作の内容の間に、基本的な矛盾はありません。
ただ、「働き方」を考察するに当たっての視点に多少違いがあり、それが補完的な役割を果たしているともいえます。
その視点の違いというのは、稲盛氏の場合、個人に焦点を当てて「どのように生きるべきか」を論じていたのに対し、天野氏の『宇宙とつながる働き方』の場合は、そのタイトルにあるように「つながり方」、関係性に焦点を当てている、ということです。
(これは、誤解を生む表現かもしれませんが、善と愛、カルマ・yoga と バクティ・yoga の違い、ともいえるかもしれません。)
それが端的に表れているのが、この本の第3章「つながりを分断するビジネスとつながりを取り戻すビジネス」です。
ここで天野氏は、「このように分類すること自体が、すでにつながりを分断する一歩であることは事実です。」(P73)と断りながらも、16個のチェック項目をあげて、ビジネスにおける2種のタイプの関係性を比較しています。
以下、第3章の目次から書き出させていただきますと、
1 ビジネスの目的――「短期的な利益の最大化」と「すべての人たちの幸せ」
2 経営理念――「美辞麗句」と「存在意義」
3 利益――「奪うことによる利益」と「創造の対価としての利益」
4 価値――「株主価値や高機能・低価格」と「人の幸せ」
5 責任を負う相手――「株主への責任」と「すべてへの責任」
6 時間軸――「目先の成果」と「長期的に持続する成果」
7 人間観――「機械」と「無限の可能性に満ちた存在」
8 社員感――「取替可能な部品」と「かけがえのない存在」
9 お客様――「財布としての客」と「喜びを分かち合う共感者」
10 同業他社――「打ち負かす敵」と「共に成長する存在」
11 仕入先――「安く仕入れる業者」と「共に価値を創る仲間」
12 思考法――「ロジカルな分析」と「全体を捉える大局観」
13 会議の進め方――「報告と責任追及の場」と「創造の場」
14 仕事の進め方――「与えられた役割を果たすこと」と「創造性を発揮すること」
15 リーダーシップ――「権力による管理」と「生き様による導き」
16 人事評価――「減点方式」と「チャレンジの奨励」
ということで、私はビジネスのことは素人なので確かなことは分かりませんが、必要な項目がほとんどもれなく網羅されているのではないか、と思います。
これをもとに、まずは自分自身のことをチェックしてみてください。
私自身、はっきりした×(前者)ではないにしても、胸を張って○(後者)とはいえない項目が幾つかあり、重要なことに気づかされました。
普通の仕事をされていれば、×が幾つかつくのは当然だと思います。そこのところを改善していけば、もっと良くなる、ということですね。
また、「これはいい働き方か?」判断がつかない場合、このチェック・リストを使えば、かなり正しい判断ができるのではないか、と感じます。
次には、ISOのような感じで、企業などをこの観点から評価していったらいいでしょうね。
こうやって、日本中・世界中の人が、自分をとりまく色々なものと正しい関係性を一歩ずつでも築いていったら、確実に良い社会が生まれていくと思います。
これまでこういった関係性に焦点を当てた研究が経済の分野でどれくらい進んでいたのかは知りませんが、それ自体に独創性があり、またこの項目の選び方が学問的なレベルでも認められる精度のものなら、これは大変価値のある研究論文でもあるといえるでしょう。
問題は本当にシンプルです。
すべての問題は、私たちがつながりを無視して、他者を犠牲にしてでも自分だけの利益を最大化しようとしてきたことにあります。そこさえ変えることができれば、一見複雑で手の施しようがないような現代の深刻な危機でさえ解決できます。
もちろん、現実にはこの意識の転換こそが最も難しい課題です。(P69・67)
天野氏がこの本のサブタイトルとして付けた「経済を回復させるたった一つの方法」というのは、誇大宣伝ではないと、私は感じました。
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